早太りで先づまりが良い
萎黄病抵抗性があり、ウイルス病・軟腐病等に強く、内部褐変症などの生理障害の発生が少ない品種です。耐暑性があるので冷涼地では初夏から、中間地では8月下旬から播種が可能です。根長はやや短いものの特に肥大性に優れ、播種後55日位で根長32～35cm、根径は8～9cm前後になります。初期からよく肥大するので、直売所ではやや小ぶりながら45日位から収穫が始められ、出荷の幅も広くとれます。また、早太りの品種としてはス入りの遅さもこの品種の特長で、中間地での9月播きであれば1月末まで収穫が可能で、年末年始の需要期に太った『味づくり』が収穫できます。（栽培作型参照）
生産者の声
直売から契約栽培まで 京都府船井郡 山崎さん
京都府下で兼業農家を営む山崎さん。初めて『味づくり』を栽培したのは近くのタネ屋さんに勧められたのがきっかけ。最初は自宅用にしか作らなかったが、おでんにして食べたところ、やわらかく味がしっかり染みていて煮崩れもしにくい。ご近所にも配ったところ美味しいと大好評だったようです。今では直売所出荷のレギュラー品種になってリピーターが続出。さらに近くの飲食店の方からの契約栽培の要望にも対応されていて、味はもちろんのこと、火の通りが早く調理時間も圧縮できるので大変喜ばれているとのことです。「とにかく味、早太り、収穫期の幅広さの点で非常に気に入っています」と山崎さん。現在は年内で収穫を終えていますが、「今後は1月下旬までは収穫を続けてお客さんの期待に応えていきたいと思います」と熱く語っていただきました。
滋賀県草津市 清水さん
県内でも有数の好環境にある草津市のハウス地帯。
ここで農業を営む清水欣吾さん。土づくりを大切に考えておられる清水さんは有機質肥料も独自に作られているようで、大根がすくすくと成長している印象です。葉も生で食べさせていただきましたが軟らかくてクセがなく、とても美味しかったです。
直売レポート
草津市北山田町（JA草津市 あおばな館）
「ほっとする味」をキャッチフレーズに昨年よりPR中の『味づくり』。おかげさまで、おでんなど煮炊きに美味しいと大好評です。今回はJA草津市が運営されている直売所「あおばな館」に訪問。売れ行き好評の『味づくり』を取材させていただきました。
生産者の清水さんの案内で直売所の大根売り場に着くと、葉付きで鮮度抜群の『味づくり』が山積みに！『味づくり』の持ち味である太り、先づまり、ボリューム感は、いかにも美味しそうでインパクト抜群。
一際お客さんの目をひいていました。清水さんからも「これほど先づまりがいいとは思いませんでした。それに名前の通り美味しい！」と太鼓判をいただきました。「休日などのお客さんの多い日には50本位はすぐになくなりますよ」と清水さん。「あおばな館」の集客の力も借り、売れ行きは順調のようです。生産者仲間の方からも「これなんていう品種？」と清水さんに問い合わせがあり、「来年は少し増えるかもしれませんよ」と嬉しい言葉もいただきました。『味づくり』の栽培は今年が初めての清水さんですが、栽培技術は確かで品種の魅力は十分に伝わったようです。出荷先との信頼関係もしっかり構築さており、「葉付きで市場出荷できるかサンプルを送ったところです」と新たな販路も積極的に開拓されています。
今回お世話になった直売所「あおばな館」は独自の加工食品を生産販売されるなど企画力もあり、非常に活気のある直売所でした。滋賀県を訪れる際にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
