
信州人のコミュニケーションツールお漬物
お茶請けにはお菓子ではなくお漬物なのが信州の常識。信州では人が集まるとき、客人をもてなすときには必ずといっていいほどお茶とお漬物が出されます。信州のお漬物といえば野沢菜漬けが有名ですが、それだけにあらず。たくさん人が集まれば、その真ん中には自家製のお漬物が何種類も並びます。家庭ごとの漬物の作り方や美味しさで話が盛り上がることもしばしば。信州の長く厳しい冬を乗り切るには、保存食であるお漬物はなくてはならないもの。しかし単なる保存食にとどまらないお漬物は、信州人のコミュニケーションツールといっても過言ではありません。



信州の食習慣にマッチした天津青長

そんな漬物王国信州で、今一際人気なのが天津青長のお漬物です。塩漬け、糖漬け、麹漬けに糠漬け…。どんなお漬物にも色よく仕上がり、味が濃く肉質や歯切れが抜群に良いと評判になっています。栽培も容易で、コンパクトなサイズで揃いの良いものができ、小さめの漬け樽でも一本漬けができて、漬けあがりも均一なのも天津青長の魅力のひとつです。信州ではその場所場所によって在来の地大根が今もなお栽培されています。地大根は肉質が非常に緻密で、それ故に漬物にすると硬すぎてちょっと…と敬遠される方もおられるようです。かといって普通の大根のお漬物では柔らかすぎて物足りない…。天津青長の特徴である肉質の適度な硬さと歯切れの良さが、信州人の好みにピッタリだったわけです。
