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産地レポート

夏、標高1000mの丘陵地で、雪下ニンジンの栽培が始まります。

長野県北西部にある大町市八坂地区。北アルプスの山並みを間近に望むこの場所は、なんと標高が1000m近くもある丘陵地。ここで弊社品種の越冬五寸人参『冬輝五寸』を使った美味しい雪下ニンジンが作られていると聞き、8月下旬に生産者の一人である仁科祐樹さんを訪ねました。仁科さんの案内でカラマツ林を抜けると、そこに広がっていたのは太陽の光をさんさんと浴びてすくすくと育つニンジンの畑。肥沃で水はけのよい仁科さんの圃場で、7月に播種した『冬輝五寸』は順調に発芽し、若々しい葉を茂らせて根は健やかに伸びています。その様子は冬に立派なニンジンが収穫できることを約束しているかのようでした。

晩秋、大きく太ったニンジンは、これから来る厳しい寒さに備えます。

二度目の訪問は11月下旬。空気がキーンと張り詰めるほど冷え込んだ、よく晴れた朝に現地入りしました。辺りは強い霜がびっしりと降りて真っ白。すべてが凍りついています。仁科さんの圃場のニンジンは、葉を大きく茂らせて一面を覆いつくし、十分に太った根は、肩まですっぽりと土の中に隠れ、しっかりと糖分を蓄えていました。まるで強い霜や寒さから自らを守っているようです。これから数日後、辺りは深い雪に包まれて、長く厳しい冬が始まります。しかし雪の下の『冬輝五寸』は、ゆっくりと静かに成熟し続けるのです…

厳冬、しっかりと成熟した雪下ニンジンをいよいよ掘り上げます。

雪下ニンジンの収穫が最盛期だという一報を聞き、1月下旬に三度目の訪問。一面の銀世界と突き抜けるような青空のもと、雪下ニンジンの掘り上げ真っ最中の仁科さんが笑顔で迎えてくれました。数日前に降った季節はずれの大雨で、積雪は半分になってしまったようですが、それでも膝あたりまでの積雪がありました。その雪を丁寧に取り去ると、驚くほどにフカフカの土が姿を現しました。雪をかぶっているために土は凍らず、ゆっくりと水分が土中に浸透するためだそうです。その中から次々に掘り出される『冬輝五寸』は見事!大きさも形も申し分ない雪下ニンジンに仕上がっていました。「肩部の痛みや割れがほとんどなくて、本当に良いニンジンです。立派になりすぎて困るくらい(笑)」と仁科さん。もちろん食味も格別で、雪の下でさらに甘味や旨みが増し、香りもまろやかになるのです。仁科さんの雪下ニンジンは、県内のスーパーや東京方面に出荷されており、とても評判が良いようです。また地元の学校給食にも使われており、子供たちにも大人気だとか。まさに信州の気候風土と仁科さんの愛情が生み出した最高の雪下ニンジンでした。
丸種株式会社
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